確実な治療法として注目を集めている「マイクロスコープによる歯科治療」。
ですが、実際にマイクロスコープについて知っている人は少なくありません。
今回は、マイクロスコープの概要と必要性についてお話します。予備知識をつけ安心して歯科治療にのぞみましょう。
マイクロスコープとは
マイクロスコープは医療用の顕微鏡。耳鼻科や眼科などをはじめに1950年頃から医療機器として使われるようになりました。
肉眼の約20倍以上拡大してみることができるため、より正確に治療を行うことができます。
肉眼で見るよりも視野が明るく、よりはっきりと歯を見ることが可能です。
通常では見られないほど細かい歯の根元部分を見ることや、健康な歯と虫歯の見極めも難しくありません。
ですが、日本の歯医者ではまだまだ普及していないのが実情。
マイクロスコープの価格が高いことと、普及していないがために取り扱える医師が少ないのが要因です。
一方、アメリカではすで有用性が認められ、歯を残す治療においては使用が義務づけられています。
マイクロスコープが歯科治療で必要な理由
マイクロスコープが歯科治療で必要な理由は「治療の確実性をあげるため」です。
特に根管治療という歯の根っこの部分に行う施術で活躍します。
根管はとても複雑な構造をしていることもあり、肉眼での治療は簡単なことではありません。
口の中はライトの光も届きづらく、はっきりと見えづらいです。そのため、医師も経験や感覚にたよりながら治療を行います。
一方、マイクロスコープを使えばはっきりと歯の根管まで見ることができます。
約20倍に拡大することで、今まで見えなかった歯の状態をはっきりと確認することが可能です。
より患者さんの歯の状態を知り、正確な治療を行うためにマイクロスコープは重要な役割を果たします。
マイクロスコープを歯科治療で使うメリット
メリットは2つあります。1つ目は「肉眼に比べてはっきりと悪影響の原因が把握できること」。
マイクロスコープを使うことで、はっきりと口の中や歯の状態を見ることができます。
そのため、肉眼に比べて歯に悪影響を与えている原因もはっきりとわかるのです。
経験と感覚に頼りながら闇雲に行う治療に比べて、ピンポイントに治療を行えます。
結果、効率よく治療が行え、高い治療効果が期待できるのです。
2つ目のメリットは「再発が少ない」こと。
一般的な治療の場合、手探りで行うため細菌に侵されている歯を見逃してしまうことも少なくありません。
肉眼で見られる範囲には限界があるからです。
一方、マイクロスコープで細部まで見ることができるため、正しい治療ができ再発の軽減が期待できます。